一眼カメラの絞り(F値)の意味とは?【初心者向け】
そもそも絞(しぼ)りってなにを絞ってるの?
カメラの話になると、「この写真は絞って撮ってるから背景までクッキリだね」とか「これは絞りが開放で撮ってるから背景がぼけてて主役がクッキリしてるね!」とか言われたことはありませんか?
絞りって一体、何を絞っているのでしょう。答えは、雑巾やグレープフルーツではなく、レンズの中にあります。
絞りとは、レンズから入ってくる光が、レンズを通過する途中にある穴のこと。この穴を開けば開くほど、たくさんの光がカメラの中に入ってきます。
この絞りのことを「F値」と呼ばれるFで始まる数字で表します。
※画像はすべてクリックで拡大します。
これは僕がよく使っているレンズなのですが、中央の穴が左右で違っています。
どちらも同じレンズを写真に撮ったものなのですが、左側は穴が大きく、F値が小さい状態、つまり絞りが開放している状態です。右側は逆に穴が小さく、F値が大きい状態、絞りが絞ってある状態です。
このように、レンズの穴を大きくしたり小さくしたりすることで、光の量を調節することができます。
絞り(F値)を変えると写真はどう変わるの?
一眼カメラらしい写真として一番わかりやすいのが「背景のボケ」だと思います。
例えば、人物を撮った時に人物だけにピントがあって背景がボケていると、その人物に目がいきやすくなり、背景よりも人物を目立たせることができます。
この写真はF値が小さい、つまり絞りを開放している(穴がおおきい)状態で撮った写真です。
うさぎにピントがあっていて、背景の文字がぼやけています。ピントがあっているうさぎに自然と目がいくと思います。
こちらの写真はF値が大きい(絞っている、穴の小さい)状態の写真です。
うさぎにピントを合わせているのですが、背景の文字もクッキリ写っています。
先ほどの写真に比べ、ちょっと暗い写真になってしまっています。
両方の写真を並べてみました。F値が小さい(穴が大きい)ほうは、光の通る穴が大きい分、明るくて、ピントがあっているところ以外はボケています。
F値が大きい(穴が小さい)ほうは、穴が小さい分、光の量が少なくなります。そのため暗い写真となりますが、ピントがあったところ以外もボケません。
つまりF値は大きいのと小さいのどっちがいいの?
F値が大きいのと小さいののどちらがいいということはありません。自分が表現したいものによって、F値を変えるのが写真上達の近道です。
例えば、「観光旅行に行って、その土地の名所と人物を一緒に撮りたい」という場合は、名所と人物どちらにもピントを合わせたいので、F値は大きいほうが良いですし、
「赤ちゃんを家の中で撮りたいけど、背景がごちゃごちゃしすぎている」という場合は、赤ちゃんだけにピントを合わせて背景はぼかしたほうが良いので、F値は小さくなります。
絞り(F値)を調整するには?
絞り(F値)の数値を自分で決めて撮影できるモードは「絞り優先モード」といいます。
ニコン、オリンパス、パナソニック、ソニーなどの場合は、「A」と書かれたモード、
キャノン、ペンタックスは「Av」と書かれたモードになります。
このモードで撮影すると、絞りの数値を自分で変えれるので、ボケ味をコントロールすることができます。
シャッタースピードは、自分で設定した絞りの数値に合わせて、カメラが自動で決めてくれます。
ボケ味を自分で調整したい場合にとても便利なモードです。
レンズによって絞りの設定できる範囲が違うので注意!
一般的にF値が2.8くらいだと背景がいい感じにボケて、一眼カメラらしい写真になるのですが、レンズによってはF値の最小が3.5や4の場合があります。
大まかに言って、ズームレンズで安いものは、F値がそれほど小さくできないのが一般的です。
ですが、単焦点レンズ(ズームしないレンズ)は安くてもF値が非常に小さくできるものがあるので、とてもオススメです。
キャノンでいうと、Canon 単焦点レンズ EF50mm F1.8 II フルサイズ対応こちらは1万円以下で変えるとても優秀なレンズです。
ニコンの場合は、Nikon 単焦点レンズ AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G フルサイズ対応ちょっとお高くなりますが2万円ちょっとで買えるこのレンズがオススメです。
どちらも50mmとクセのなりレンズで、F値が最小1.8までできますので、背景がボケて、被写体にピントがバッチリあった、プロっぽい写真が撮れますよ!
この機会にぜひぜひ単焦点レンズを試してみてください(`・ω・´)ゞ
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